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外壁の防水塗装は必要?DIY可否も解説

ビルやマンションの外壁の防水塗装について、必要かどうかお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事では、外壁の防水塗装の必要性やメリット、DIYの可否について解説します。防水塗装について理解し、正しい知識で建物の価値や美観を維持するために、最適なメンテナンス計画を立てましょう。

 

防水塗装の必要性

防水塗装の有無は、ビルやマンションの寿命に大きく関わります。例えば、外壁に小さなひびが生じると、そこから水が浸入し、建物内部への損害を引き起こすリスクがあります。また、雨風や紫外線などにより、時間の経過とともに外壁の防水機能がさらに低下してしまいます。こうした問題を未然に防ぐためには、防水塗装が不可欠です。

 

防水塗装と一般的な外壁塗装の大きな違いは、防水塗装は水の浸入を阻止し、外壁の耐久性を高める点に特化していることです。雨水の直接的な浸入を防ぎ、内部構造の損傷やカビ、腐食などの問題を防げます。これらの問題は建物の寿命を縮めてしまうため、防水塗装は美観と機能の両方を維持する上で必要と言えます。

 

防水塗装のメリット

ここでは、防水塗装を行う3つのメリットを詳しく解説します。

 

  • 外壁の劣化を防止:ビルやマンションの外壁に防水塗装を施すことは、外壁材が雨水や湿気を吸収し、それによって引き起こされる膨張や収縮といった現象を防ぐために非常に重要です。これらの現象は、外壁材の劣化を加速させる主な原因の1つであり、塗装によってこれらを最小限に抑えることができれば、外壁の寿命をさらに延ばせます。外壁の防水塗装は、外壁の見た目を保つだけでなく、構造的な強度を維持し、建物全体の耐久性を高めることに関係する重要なメンテナンスです。このようにして、外壁の防水塗装は、建物の美観と安全性を長期にわたり保持する上で不可欠な役割を果たします。
  • ひび割れからの雨水浸入を防ぐ:外壁に使用される弾性塗料は、ゴムのような弾力性を持ち、外壁に生じる小さなひび割れに対しても、動きに対応して伸縮する能力があります。この塗料の特性により、外壁に生じたひびを通じて建物内部への雨水の浸入を効果的に防止可能です。この結果、雨漏りによる内部構造の損傷や、カビや腐食のリスクを大幅に低減させられます。とくに建物の耐震性や耐久性に直接影響を及ぼす可能性があるため、弾性塗料による外壁の保護は、建物を長期にわたり安全に保つ上で重要です。
  • 建物の耐久性向上:外壁の防水塗装は、外壁のひび割れから雨水が浸入することを防ぎ、その結果として建物の損傷や腐食を未然に防げます。外壁からの水分浸入を抑制することで、建物内部の構造体を乾燥状態に保ち、損傷や腐食のリスクを低減可能です。これは、建物の構造体が水分による損傷から保護され、結果的に全体の耐久性が向上することを意味します。さらに、長期間にわたり建物を健全な状態に保つことができるため、将来的に高額な修繕費用が発生するリスクの軽減にもつながります。

 

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防水塗装に用いられる主な塗料

防水塗装に用いられるアクリル、ウレタン、シリコン、フッ素といった合成樹脂に基づく塗料は、それぞれに特有の特徴とメリットがあり、外壁の状態や要求される性能に応じて選ばれます。

 

アクリル

アクリル塗料は、扱いやすさと経済性に優れ、発色が良く再塗装が容易な点で以前は広く用いられていました。しかし、他の種類の塗料と比べて耐久性が劣る点が目立ちます。

 

アクリル塗料の耐用年数は5年〜6年です。外壁に鮮やかな色彩を長く保つ必要がない場合や、コストを抑えたい短期間の使用を前提とする場合に選ばれることが多いです。継続的なメンテナンスを惜しまないオーナーには適した選択肢と言えるでしょう。

 

ウレタン

ウレタン塗料は、優れた弾力性と密着性を誇り、紫外線や化学物質への耐性も持ち合わせています。塗装面の小さなひび割れをカバーし、長期にわたる建物の保護を可能にします。

 

ただし、時間の経過とともに汚れや変色が目立つことがある塗料で、耐用年数は最大で約10年が目安です。日常的なメンテナンスを行いやすいオーナーには適した選択肢です。

シリコン

シリコン塗料は、耐久性と仕上がりの質の高さで知られており、外壁塗装の塗料の中でも人気があります。耐用年数は10年〜12年と長めで、耐候性と耐水性に優れています。価格面は他の塗料に比べて高いものの、長期間にわたって外壁を保護する能力は、コストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。

 

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フッ素

フッ素系塗料は、最高の耐久性と耐候性を提供し、耐熱性、耐寒性、耐水性にも非常に優れています。耐用年数は15年〜20年と非常に長く、塗り替えの頻度を大幅に減らせます。

 

価格は他の塗料よりも高価ですが、長期間にわたって一貫した性能を提供するため、コストパフォーマンスを重視するオーナーにとっては理想的な選択肢と言えるでしょう。

 

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防水塗装にかかる費用

外壁の防水塗装にかかる費用は、さまざまな要因によって大きく変動します。使用する塗料の種類によって異なりますが、例えばシリコン塗料での塗装では100万円程度が目安です。さらに防水性を高めるために特別な塗料を使用した場合、120〜130万円程度の予算を想定する必要があります。これには塗料だけでなく、足場の設置や人件費などの必要経費も含まれていますが、施工する建物の規模などによって大きく左右されることを理解しておきましょう。

 

防水塗装では高い弾性を持つ塗料が推奨されることが多く、一般の塗料よりも価格が高めです。弾性の高い塗料は一缶5〜7万円となり、塗装面積に応じて必要な量が変わりますが、通常は複数缶が必要です。加えて、世界情勢などの外部要因により塗料の原材料価格が高騰し、塗料価格自体も上昇傾向にあることを考慮する必要があります。このような状況を踏まえると、外壁の防水塗装には、質の高い材料を選び、費用が追加となることも想定して予算を計画することがポイントです。

 

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外壁に防水塗装を施すタイミング

建物の寿命を延ばし、快適な屋内空間を保つためには、外壁の状態に応じた適切なメンテナンスが不可欠です。外壁に防水塗装を施すべきタイミングは、定期的なチェックと劣化のサインを見逃さないことがポイントです。一般的には、10年〜15年が外壁の防水塗装の再施工のタイミングの目安とされています。しかし、それよりも早く劣化のサインが見える場合もあるので、その場合には耐用年数に縛られず、早めに専門業者に相談しましょう。

 

例えば、経年劣化や塗装不備によって粉状の物質が発生するチョーキング現象や、クラック(ひび割れ)、シーリングの劣化、塗装のはがれなどは、外壁の防水機能が低下している可能性が高いです。特に構造に影響を及ぼす構造クラックや、水の浸入を許すシーリングの劣化は、早急な対策が求められます。

 

定期的なメンテナンスと早期の劣化対応により、建物の健全性を長期にわたって保つことが可能です。防水塗装のタイミングは、建物の状態に左右されます。そのため、素人の判断だけでなく専門家の意見を取り入れ、計画的に行うことが大切です。

 

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【防水塗装】軽微なクラックであればDIYできる?

外壁に発生した軽微なクラックであれば、DIYで防水塗装を行うことが可能な場合もあるかもしれません。しかし、これには大きなリスクが伴います。外壁の防水性を維持するためには、専門的な知識と技術が必須です。軽微に見えるクラックでも、その背後には構造的な問題が隠れている可能性があります。適切な修復が行われないことで、後の大きな問題へとつながりかねません。

 

自宅で小さなクラックを見つけて、市販の防水塗料で修復したオーナーがいました。当初は問題がないように見えましたが、時間が経過するにつれて雨漏りが発生するようになり、結局は専門業者による大規模な修復が必要となり、予想以上に修復費用がかかってしまった、という事例があります。

 

この事例からもわかるように、初期の段階で専門業者に相談することが、結果的に時間とコストを節約する最善であり最短のルートです。したがって、軽微なクラックであっても、DIYでの防水塗装はおすすめできません。建物の状態を長期にわたって保持するためにも、外壁塗装の専門業者に依頼しましょう。

 

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防水塗装を行う際の注意点

防水塗装を行う際の注意点は、外壁の素材と塗料の選定が重要です。特にモルタルの外壁は、ひび割れが生じやすく、防水塗装が有効です。しかし、サイディングのように目地が多い外壁の場合は、熱気によるふくれが発生しやすく、防水塗装には不向きです。

 

防水塗装で使う塗料は、高い伸縮性を持っています。定められた基準の塗布量を守ることで、ひび割れから保護できます。塗布量が不足している場合、塗料の防水効果が十分に発揮されないため、注意が必要です。また、塗料の乾燥時間も重要です。適切な乾燥時間を確保しないと、硬化不良や防水性能の低下を招きます。

 

以上の点を踏まえて、適切な準備と知識を持って外壁の防水塗装を計画することで、建物を長期間保護することが可能となるでしょう。

 

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外壁の防水塗装は専門業者に任せよう

外壁の防水塗装は、ビルやマンションの長期的な価値と美観を保つために重要な役割を果たします。塗料の選定から塗装方法、メンテナンスまで、専門的な知識と経験が求められます。構造的な問題が隠れている可能性があるため、DIYによる外壁の防水塗装は避けましょう。専門業者に依頼することで、適切な塗料の選定と施工方法を選び、長期的な価値と美観の維持を実現可能です。

 

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