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シリコン塗料とは?外壁塗装の費用相場を紹介

外壁塗装は、建物の見た目の美しさを保つだけでなく、耐久性や防水性を向上させるために欠かせません。
シリコン塗料は、高い耐候性と撥水性から、外壁塗装の最適な選択肢として注目されています。

 

この記事では、シリコン塗料の特徴や種類、費用相場について詳しく解説し、適切な塗料選びのポイントをお伝えします。
外壁塗装の計画を立てる際の参考にしてください。

シリコン塗料とは

シリコン塗料は、耐候性や撥水性に優れ、外壁や屋根の塗装に広く利用されています
最大の特徴は、シリコン樹脂が主成分であることです。
シリコン樹脂はケイ石から作られる合成樹脂で、耐熱性や耐寒性に強く、紫外線やさまざまな気象条件に対しても優れた耐久力を発揮します。
また、シリコン塗料はアクリル塗料に比べて寿命が長く、外壁や屋根に使われることが多いです。
加えて、高い光沢とつやを持ち、見た目の美しさを長期間維持できます。

シリコン塗料の種類

シリコン塗料には、水性と油性の2種類が存在します。
使用環境や施工条件によって選ばれるため、適切な選択が重要です。

 

水性シリコン塗料は揮発性が低く、塗装時の臭いが少ないため、住宅密集地でも使用しやすいというメリットがあります。
また、調整が容易で、水でうすめることが可能です。

 

一方、油性シリコン塗料は耐久性に優れ、とくに金属表面への密着力が高いため、長期にわたり塗膜の保護効果を維持します。
しかし、使用には強い臭いと揮発性有機化合物(VOC)の放出が伴うため、施工環境や後処理に注意が必要です。

 

どちらの塗料も特性を理解し、用途に合ったものを選ぶことが、塗装の成功につながります。

シリコン塗料のグレード

シリコン塗料には1液型と2液型の2つのグレードがあります。

 

1液型シリコン塗料は使用が容易であり、開封後に直接塗装に使用できる一方で、耐久性には限界があるので注意が必要です。
主に簡易的な塗装や一時的な修繕に適しており、価格も比較的手頃です。

 

対照的に2液型シリコン塗料は、硬化剤と基材を混合して使用するため、塗装直前の準備が必要ですが、これにより高い耐久性と優れた塗膜の質を実現しています。
とくに、過酷な気候条件や機械的摩擦が予想される環境に適しており、長期にわたる保護が求められる場合に推奨されます。

 

したがって、使用環境と保護の必要性を考慮して、適切なグレードを選択することが重要です。

シリコン塗料のメリット

シリコン塗料は、外壁塗装において人気があります。
理由は、多くのメリットを持っている塗料だからです。
ここでは、シリコン塗料の主なメリットを紹介します。
メリットを理解することで、外壁塗装の選択肢としてシリコン塗料を考慮する際の参考になるでしょう。

メリット①汚れに強い

シリコン塗料は表面に撥水層を形成することで、泥や雨水などの汚れを弾く力を持っています。
この撥水性により、塗装された外壁が常に清潔に保たれ、美しい外観を長期間維持できます。
さらに、汚れが付きにくい性質は、清掃の手間と頻度を減少させるため、維持管理の負担を大きく軽減することが可能です。
そのため、ビルやアパートの外壁に適しており、管理者にとってもメリットが大きい選択肢と言えるでしょう。

メリット②耐久性が高い

シリコン塗料の耐久性は、化学構造に由来します。
紫外線や気候変動による影響を最小限に抑え、塗膜が剥がれたり、色褪せたりすることが少ないです。
とくに、日本のような四季がはっきりしている地域では、外壁材が直面する厳しい環境条件に対して強い塗料が求められます。
シリコン塗料は長期間にわたって性能を維持するため、再塗装の周期を延長させることができ、結果的に長期的なコスト削減が可能です。

メリット③メンテナンス費用を抑えられる

シリコン塗料を用いた外壁塗装は、優れた耐久性によってメンテナンス費用の削減に大いに貢献します。
耐候性に優れているため、塗り替えの周期を長くすることが可能で、結果的に塗装にかかる費用を減少させることが可能です。
さらに、シリコン塗料には断熱・遮熱性能も備わっており、これにより冷暖房の効率が向上し、エネルギーコストの削減にもつながります。
このような性質が、シリコン塗料が長期的なコストパフォーマンスで優れている理由です。

メリット④種類が多い

シリコン塗料は、多様な種類があることが大きなメリットの1つです。
この塗料は、水性と油性の溶剤を基にしたものや、1液型と2液型など、多様な形態があります。
各種類は特定の条件下での使用に最適化されており、たとえば、高い耐候性を求める場合には2液型が、作業の手軽さを重視する場合には1液型が適しています。
シリコン塗料は多様性により、さまざまなニーズに対応することが可能です。

メリット⑤光沢・つやがある

シリコン塗料の最大の特長の1つは、顕著な光沢とつやです。
この塗料は、つやなしから完全なつやありまで、5段階の光沢レベルを提供しており、用途に応じて選べます。
とくに、つやありタイプは光沢保持率が高く、時間が経過しても美しい仕上がりを維持できる点が大きな魅力です。
持続する光沢は、建物の外観を長期にわたり魅力的に保つため、外壁の見栄えを良くすると同時に、保護機能としても優れています。
シリコン塗料を選ぶことで、外壁が持続的に新しく見え、経年による色あせの心配を減らすことができるでしょう。

シリコン塗料のデメリット

シリコン塗料は多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
これらのデメリットを理解し、事前に対策を講じることで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。

 

ここでは、代表的なデメリットを挙げ、それぞれの特徴と注意点を説明します。

デメリット①ひび割れしやすい

シリコン塗料を用いた外壁塗装は、硬質な塗膜のために、ひび割れが起こりやすいという問題があります。
とくに、建物が地震などの揺れによって微細な動きをした場合、シリコン塗料は動きに対応しきれず、塗膜が割れてしまうことが多いです。
このような性質から、耐久年数が10年を超えると、塗膜の硬化が進み、ひび割れのリスクはさらに高まります。
したがって、シリコン塗料を選ぶ際は、塗装面の状態や建物の立地条件を十分に考慮し、定期的なメンテナンスを計画することが重要です。

デメリット②重ね塗りに向いていない

シリコン塗料は優れた撥水性と硬化後の固い塗膜のため、既存の塗膜に重ね塗りを行う際には適切な下地処理が必要です。
具体的には、古い塗膜の上に直接シリコン塗料を施工すると、新たな塗膜が旧塗膜に密着しないことがあります。
このため、重ね塗りを考慮する場合は、専門的な知識を持つ職人による正確な下地処理が求められるのです。
10年後などの再塗装を計画している場合、シリコン塗料の選択は慎重に行う必要があります。
適切な処理を怠ると、塗膜の剥がれや密着不良を引き起こし、結果的に高額な修繕費用が発生する可能性が高くなるでしょう。

デメリット③取り扱いが難しい

シリコン塗料は特有の性質により、一般的なDIYには不向きです。
この塗料は他の一般的な塗料よりも粘度が低く、均一な塗膜を形成するためには一定の技術が求められます。
また、シリコン塗料は沈殿しにくいため、作業中には頻繁な撹拌が必要となり、素人が適切に扱うことが困難です。
さらに、塗料の付着力が弱いため、下地処理も丁寧に行う必要があります。
これらの理由から、シリコン塗料の取り扱いは、経験豊富なプロに委ねることが一般的です。

 

自分で施工を試みる場合は、失敗のリスクを考慮し、可能な限り専門の業者に依頼することを検討しましょう。

シリコン塗料の費用相場

シリコン塗料を用いた外壁塗装の費用は、多くの要因によって左右されますが、一般的には1平米あたり約1,800〜3,500円の範囲で設定されています。
この価格は、塗料の質や施工の複雑さ、建物の立地条件などが影響します。
たとえば、30坪の住宅の場合、全体の塗装費用は大体500,000〜800,000円程度が相場となることが多いです。
また、シリコン塗料の持ち味を最大限に引き出すためには、下地処理や高圧洗浄、適切な塗料の選択が必須であり、これらの作業にもコストが発生します。

他の塗料と比較して、シリコン塗料は耐久性が高くメンテナンス間隔を延ばすことができるため、初期投資は高めでも長期的にはコストパフォーマンスに優れる選択と言えるでしょう。
このため、外壁塗装を考える際には、ただ単に初期費用だけでなく、メンテナンスコストや耐用年数を総合的に検討することが重要です。

シリコン塗料による外壁塗装の見積もりを取る際のポイント

外壁塗装の見積もりを取る際、シリコン塗料を選ぶことで耐久性と効果を期待できるため魅力的です。
しかし、見積もりを慎重に検討することが重要で、とくに次の点に注意しましょう。

 

まず、提供されるシリコン塗料が実際に高耐久性を持つかどうかを確認することです。
すべてのシリコン塗料が同等の品質を持つわけではなく、中には耐久性が低いものもあります。
製品のシリコン含有率やメーカーによる耐用年数の公表している情報を確認し、塗料が長期間にわたり性能を発揮するかを評価する必要があります。

 

次に、適切な下地処理が見積もりに含まれているかをチェックしてください。
下地処理は塗装の成功に不可欠で、既存の損傷や不純物を取り除き、塗料の密着を助けるためのものです。
この工程がしっかりと行われていない場合、どんな高品質な塗料も効果を十分に発揮できません。
また、塗装工程がどのように行われるか、下塗り、中塗り、上塗りの各段階でどの塗料が使用されるのかを明確にすることも大切です。

 

加えて、塗装業者の選び方においては、業者がシリコン塗料の取り扱い経験が豊富であるか、以前の施工例について情報開示が透明であるかを評価することが重要です。
経験豊富な業者は、各住宅の状況に応じた最適な塗料選びと施工方法を提案でき、長期的な満足度を保証します。

 

最後に、見積もりの全体的なコストを評価する際には、初期費用だけでなく、長期的なメンテナンス費用や再塗装の周期も考慮に入れることが賢明です。
安価な見積もりが最終的に高コストにつながる場合もあるため、全体的なコストパフォーマンスを基に判断しましょう。

 

関連記事:マンションの外壁塗装の費用相場は?費用の抑え方や適切なタイミングも紹介

シリコン塗料の耐用年数

シリコン塗料は耐候性と優れた防水性から、外壁塗装において高い評価を受けている塗料です。
通常、シリコン塗料の耐用年数は約10〜15年とされており、これはアクリル塗料やウレタン塗料と比較して顕著に長持ちします。
この長い耐用年数は、塗料の初期投資に対するコストパフォーマンスを大幅に向上させ、頻繁な塗り替えの必要性を減らします。

 

シリコン塗料を選ぶ際は、製品によって保証される耐用年数を確認し、性能が長期間にわたって建物を保護することを保証するものを選ぶようにしてください。

 

関連記事:20年を超えたら寿命?塗料ごとに外壁塗装の耐用年数を紹介

シリコン塗料の使用が向いているケース

シリコン塗料はコストパフォーマンスと耐用年数のバランスから、多くの外壁塗装プロジェクトに最適です。
とくに、中長期的に建物を維持しようと計画している場合や、頻繁なメンテナンスを避けたい管理人や大家さんにとって、シリコン塗料は理想的な選択肢となるでしょう。
シリコン塗料は約10〜13年の耐用年数で、とくに長期にわたって住む予定の住宅や、商業施設に適しています

 

さらに、シリコン塗料は豊富なカラーバリエーションを持っており、外観のイメージを一新したい場合にも最適です。
ビルやアパートの外壁に特定の色を施すことで、物件の魅力を高めることが可能です。
また、耐候性に優れ、紫外線や雨風による劣化が少ないため、気候の変動が激しい地域に建つ建物の外壁塗装にも適しています。

 

経済的な面を考慮し、初期コストとメンテナンスの頻度を天秤にかける必要がある場合、シリコン塗料はその中間の価格帯ながら、長期間にわたり優れた性能を維持するため、多くの管理者にとって魅力的な選択肢となるでしょう。

 

関連記事:アパートの外壁は何色がよい?色を選ぶ際のポイントを紹介

シリコン塗料の使用が向いていないケース

シリコン塗料は外壁塗装において耐久性とコストパフォーマンスで人気があります。
とくに、長期間にわたって建物の見た目の美しさと機能を維持したい管理人や大家さんにとって、シリコン塗料は理想的な選択です。
シリコン塗料は一般的に約10〜13年の耐用年数を提供し、定期的な塗り替えを必要としないため、長期的なメンテナンスコストを抑えられます。

 

また、シリコン塗料は優れた撥水性とUV保護機能により、厳しい気象条件下でも優れた保護性能を発揮します。
これは、日照が強い地域や雨風が多い地域に位置する建物にとって重要な特性です。
さらに、シリコン塗料は種類が多く、幅広いカラーバリエーションが利用可能で、建物の外観をカスタマイズする際にも柔軟な選択肢を提供します。

 

長期間その場所に住む予定のある方や、商業ビルの維持管理を担当している場合にも、シリコン塗料は効果的な塗料です。
10年以上の長期にわたって塗り替えの必要がないため、一度の投資で長く安心して建物を管理できます。
また、シリコン塗料の塗装は将来的な建物の価値を高める投資ともなり得るため、売却や資産価値の向上を考えている場合にも最適です。

 

このように、シリコン塗料は耐久性、経済性、見た目の美しさの3つの大きなメリットを提供します。
塗り替え周期を延ばしつつ、建物を長期間保護するために、シリコン塗料の選択は賢明な選択と言えるでしょう。
外壁の状態や気候条件、予算などを総合的に考慮し、適切なシリコン塗料を選ぶことが、建物管理の成功への秘訣です。

シリコン塗料を選ぶ際の注意点

シリコン塗料を選択する際には、特性と適用条件を十分に理解し、慎重に判断することが求められます。

 

まず、シリコン塗料の品質には大きな差が存在するため、単にシリコン塗料という名前だけで選ぶのではなく、シリコンの含有量や性能の詳細を確認しておきましょう。
高い含有量は一般に長期の耐候性と保護効果を示すため、建物の保護を最優先する場合には、含有率の高い製品を選ぶべきです。

 

次に、全ての外壁材質にシリコン塗料が適しているわけではないため、塗料を選ぶ際には専門家と相談し、建物の材質と環境条件を考慮した上で適切な塗料を選ぶ必要があります。
たとえば、モルタルや既に劣化が進んでいる外壁では、シリコン塗料よりも弾性を持った塗料が適している場合があります。
また、付帯部分にも同じ種類の塗料を使用することで、塗り替え周期を一致させ、将来的なメンテナンスコストを削減することが可能です。

 

さらに、シリコン塗料の施工には専門的な技術が必要であるため、経験豊富な業者に施工を依頼しましょう。
適切な下地処理が行われていない場合や、施工が不適切であると、シリコン塗料の持つ本来の性能が発揮されず、期待した耐久性が得られないこともあります。
そのため、過去の施工実績を確認し、信頼できる業者を選んでください。

 

これらのポイントを踏まえ、シリコン塗料を選ぶ際には、製品の詳細な仕様、適用可能な外壁材質、施工業者選びに注意を払い、最適な外壁塗装計画を立てることが求められます。

シリコン塗料は耐久性とコスト面において優秀な塗料

シリコン塗料は、外壁塗装において耐久性とコストパフォーマンスに優れた選択肢です。
耐候性や撥水性が高く、さまざまな気象条件にも強いため、長期的な保護効果を期待できます。
シリコン塗料の特性を理解し、適切な施工プランを立てることで、建物の美観と機能を長期間維持できるでしょう。
信頼できる業者に依頼し、最適な外壁塗装を実現してください。

 

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