マンションの外壁塗装で受け取れる助成金や条件も紹介
外壁塗装は建物を美しく保つだけでなく、耐久性を高める重要な工事です。
この記事では、マンションの外壁塗装を検討中の不動産オーナーや大家さんへ、助成金の受け取り方とその条件について詳しく解説します。費用を抑えながら、品質の高い塗装を行うための助成金制度に焦点を当ててご紹介します。
外壁塗装でもらえる助成金とは？
外壁塗装に対する助成金は、自治体によってその存在や条件が異なります。一部の自治体では、美観向上や耐震性の強化を目的とした改修工事に対して、助成金や補助金を供給しています。
外壁塗装で助成金を利用するにあたり、あらかじめ確認しておくべきポイントがあります。
それぞれ解説します。
助成金を受け取る条件
助成金や補助金を受け取る条件は自治体によって異なりますが、一般的には長期間（10年以上）居住予定の住宅改修や、省エネおよび環境配慮工事が対象となることが多いです。
申請者が満たすべき条件としては、市区町村に住民票があり、税金の滞納がなく、暴力団関係者が世帯員に含まれていないことなどが挙げられます。
また、同一の助成金や補助金制度を過去に利用していないことも条件の一つです。
これらの条件は例示に過ぎず、具体的な要件はお住まいの市区町村によって大きく異なるため、詳細は各自治体に確認する必要があります。
関連記事：アパートの外壁塗装に補助金・助成金を使う流れを解説
関連記事：ビルの外壁塗装工事の費用は助成金で抑えられるのか？
助成金の目安
助成金の額は、実施する工事の種類や規模、そして自治体の予算状況によって変わります。
多くの自治体では、リフォーム費用の一部を補助する制度を設けており、外壁や屋根の塗装に関しては、工事費用の10〜20％、上限は10〜30万円程度が一般的な補助範囲です。
ただし、補助金の上限額は設けられていることが多く、詳しい条件や金額は自治体によって異なるため、事前の確認が必要です。
マンションの外壁塗装における費用の相場
マンションの外壁塗装にかかる費用は、建物の規模、使用される塗料のタイプ、塗装の範囲などによって大きく変わります。
以下では、これらの要因に基づく外壁塗装の一般的な費用相場と、大規模修繕工事全体の中で外壁関連費用がどれだけの割合を占めるのか、詳しく解説します。
①マンション外壁塗装工事の費用相場と費用の内訳
マンションの外壁塗装工事の費用は、さまざまな要因によって変動します。塗装方法の選択、たとえば吹き付け塗装、ローラー塗装、刷毛塗装などは費用に影響を与えます。
また、使用する塗料の種類や外壁の劣化状況、追加工事の有無、業者の選定も費用を左右する要素です。一般的に、マンションの外壁1平方メートルあたりの塗装費用は2,000円～6,000円程度とされていますが、これに加えて足場代、飛散防止ネットの設置、高圧洗浄費用、養生シートの設置費用などの諸経費も考慮する必要があります。
これらの要素を総合的に理解し、適切な予算計画を立てることが、マンションの外壁塗装を成功させる鍵です。
関連記事：ビルの外壁塗装工事の費用は助成金で抑えられるのか？
関連記事：外壁塗装の劣化はなぜ起こる？原因や種類について解説
②大規模修繕工事の総額のうち、外壁関係の費用が占める割合
大規模修繕工事における外壁関連の費用は、総額の約24％を占めることが国土交通省の『平成30年度マンション総合調査結果』により明らかになっています。
このデータは、外壁塗装やタイル補修、屋根や床の防水工事などが、総工事費においてどれだけの割合を占めるかを示しています。
たとえば、大規模修繕工事の総額が3,000万円の場合、外壁関係の費用は約720万円になると予測されます。これらの数字から、外壁関連工事が大規模修繕において重要な財務的要素であることが理解できます。
関連記事：マンションの外壁塗装にかかる費用とは？費用の抑え方も紹介
関連記事：外壁の防水塗装は必要？DIY可否も解説
マンションの外壁塗装で助成金を受け取る条件
マンションの外壁塗装における助成金の利用条件は、その地域の自治体によって大きく異なります。助成金は、美観の向上や耐久性の強化、環境への配慮など、特定の目的を満たす外壁塗装プロジェクトに対して提供されることが一般的です。
ここからは、マンションの外壁塗装に関する助成金の受け取り条件を解説します。
改良工事にかかる費用での利用
多くの自治体では一般的なリフォームに対して助成金を供給しており、その中には外壁工事も含まれることがあります。
とくに外壁の耐震強化や断熱性の向上など、建物の性能を高める目的の改良工事に助成金が適用される場合があります。
このため、外壁塗装やその他の外壁工事を検討しているマンションのオーナーや管理者は、自身の自治体が供給する助成金制度の詳細を確認することが重要です。
助成金を利用することで、リフォーム費用の一部を補助してもらうことが可能となり、経済的な負担を軽減しつつ、建物の価値向上につながるリフォームを実現できます。
参考：品川区|住宅改善工事助成事業(エコ＆バリアフリー住宅改修)
耐震化のための費用での利用
地震に強い建物への改修工事に対して、とくに外壁補強などの耐震性向上工事に助成金が提供されることがあります。
この助成金は、外壁や屋根の塗装工事だけでなく、耐震・断熱改修、床の張替え、バリアフリー化など、住宅リフォーム全般に利用可能です。
自治体によっては、住宅の安全性や快適性を高めるためのリフォームを支援するために、このような幅広い用途での助成金制度を設けています。
利用者は、これらの助成金を活用することで、リフォーム費用の一部を補助してもらえるため、経済的な負担を減らしつつ、住宅の質を向上させることが可能になります。
断熱塗料や遮熱塗料を使った工事費用での利用
外壁塗装に遮熱塗料を使用することは、エネルギー効率向上を目的とした改修工事において、助成金を受給できる可能性があります。
遮熱塗料は、太陽の赤外線を反射し、住宅の熱影響を軽減する性能を持つため、室内の温度上昇を抑制し省エネ対策に貢献します。
この塗料の使用は、住宅の快適性を高めるだけでなく、環境に対する配慮も考慮されています。ただし、遮熱塗料は一般的な塗料に比べて価格が約2割高く、とくに光を反射しやすいホワイト系の色が遮熱効果を最大化します。
このため、助成金の活用は、初期投資を抑えつつ、長期的な省エネ効果を実現する有効な手段となります。
関連記事：マンションの外壁塗装に人気の色は？成功のポイントを解説
マンションの外壁塗装で受け取った助成金は返済するべき？
マンションの外壁塗装における助成金や補助金は、国や自治体からの経済援助として給付され、返済の必要がありません。これらの支援は、住宅の修繕や環境改善に関する政府方針の実現を目指し、家庭の経済的な負担を軽くすることを目的としています。
助成金の取得には、いくつかのステップがあります。具体的には、自治体の設定する条件を満たすことが求められます。これには、指定された塗料や塗装作業の範囲などが含まれます。
また、申請から承認までには時間が必要で、数週間かかることもあります。
さらに、助成金の使用後に計画からの逸脱が発見されると、支援金の返還を求められる可能性があるため、計画に沿った使用が欠かせません。
適切に活用することで、外壁塗装にかかるコストを効果的に減らし、住宅の外観と機能の改善に貢献できます。計画に基づいた申請と自治体の規定を守ることが、助成金を活用する上での鍵となります。
助成金の申請・受け取り方法
助成金の申請は、マンションの外壁塗装プロジェクトにおいて大きな節約をもたらす可能性があります。
助成金の申請・受け取り方法について、6つのステップに分けて解説します。
ステップ①住んでいる自治体に助成金制度があるか確認する
外壁塗装に関する助成金の有無は、住んでいる自治体のホームページをチェックすることで確認できます。
助成金や補助金の申請に際しては、自治体のホームページから申請書をダウンロードするか、直接役所で受け取り、その内容を確認することが第一歩です。
申請書の提出に加えて、工事費の見積書や住宅の登記事項証明書、納税証明書、住民票の写し、施工前の住宅写真、塗料の性能を証明するカタログなどの添付物が必要になるケースが一般的です。
業者による代理申請や賃貸物件の場合は、それぞれ委任状や物件所有者の承諾書も求められます。さらに、一部の自治体では建築基準法の確認済証や固定資産登録事項証明書などの提出が必要な場合もあります。
書類の取得には時間がかかることもあるため、余裕を持って準備を始めることをおすすめします。
ステップ②業者に見積もりを出してもらう
助成金や補助金の申請には、専門業者による正確な見積もりが必須です。評判の良い塗装業者は、予約が3か月前には埋まってしまうことがあるため、早めに業者探しを始めることをおすすめします。
選んだ業者には見積もり書の作成を依頼し、この見積もりが助成金申請の際に必要となります。なお、正式な契約は助成金の交付決定後に行うのが一般的です。
自治体によっては、見積もり書以外にも「塗料のカタログ」や「詳細な見取り図・平面図」などの提出が求められることがあります。
これらの書類はリフォーム内容の適格性や費用の妥当性を確認するために必要です。リフォーム業者には助成金申請の意向を伝え、自身でも必要書類をリストアップしておくことが重要です。
ステップ③申請に必要な書類をそろえる
助成金や補助金の申請には、見積もり書や契約書などの必要書類の提出がありますが、自治体によって書類が異なるため、事前に確認し準備をすることが重要です。
工事を始める前に、事前申請書とともにこれらの書類を自治体に提出する必要があります。申請書には、工事の詳細、見積もり額、実施業者の情報などを詳しく記入することが求められます。
この手順を適切に行うことで、助成金や補助金の受給資格を得ることができます。
ステップ④業者と契約・着工する
提出書類に不備や漏れがないことを確認し、条件と審査をクリアすると「交付確定通知書」が届きます。この通知書を受け取った時点で初めて助成金や補助金の受給が確定しますので、ここでリフォーム業者との正式な契約を行いましょう。
助成金の申請と承認後には、適切な業者の選定と外壁塗装工事の開始が続きます。審査結果を受けてから工事が始まるため、業者選びには見積もり金額のみならず、過去の施工実績や評判、アフターサービスの質も考慮することが重要です。
この手順を適切に進めることで、質の高い施工を適正価格で実現できます。
ステップ⑤工事完了届を提出する
工事完了後、自治体への報告が必須となります。この報告には、作業実績報告書や請求書などの提出が含まれます。これらの文書は、助成金や補助金の最終審査に欠かせません。
提出する書類には、工事費用の詳細や工程の証明が必要になり、これには領収書、施工工程や完成後の写真、使用した塗料の写真などが含まれます。
これにより、助成金や補助金の適正な使用が確認され、最終的な支給手続きに進みます。
ステップ⑥交付額の決定・申請書の提出
助成金の最終交付額が決まった後、申請者は指定された手続きに従って必要な書類を提出します。助成金の確定を通知する書類が届けられた後、助成金の振り込みが行われます。
振り込みのタイミングは自治体によって異なるため、一般的には1ヶ月程度を見込むと良いでしょう。
この期間を考慮して計画を立てることで、スムーズな資金管理が可能となります。
関連記事：アパートの外壁塗装に補助金・助成金を使う流れを解説
助成金の申請・受け取り方法
助成金を利用する際には、いくつかの重要な注意点があります。申請期限、対象となる工事の種類、提出が必要な書類など、詳細を事前に確認しておくことが大切です。
以下に挙げるポイントをしっかりと理解し、助成金申請の準備を行いましょう。
①遮熱塗装に向かない場合がある
外壁塗装の助成要件に「遮熱・断熱塗料の使用」が含まれることがありますが、遮熱塗料には注意が必要です。なぜなら、遮熱塗料は太陽光を遮るため、冬場に屋内が寒くなりやすく、寒冷地や日照時間が少ない地域の建物には適していないからです。
補助金の利用が可能であっても、自分の建物に合った塗装選びが重要です。考えなしに遮熱塗装を選択するのではなく、建物の特性や地域の気候を考慮した上で、適切な塗装方法を選ぶことが重要です。
②自治体によっては先着や抽選となる場合がある
助成金の申請は、すべての条件を満たしていても保証されたものではありません。多くの自治体では限られた予算内で助成金を配分しており、その結果、対象者の選定が先着順や抽選となることがあります。
これを避けるためには、申請受付の開始時期を事前に確認し、できるだけ早めに申請することが有効です。早めの行動が、助成金を確実に受け取るための鍵となります。
③外壁塗装助成金の細かな条件に注意
外壁塗装の助成金申請では、自治体ごとに設定された塗料の種類や塗装範囲など、細かい条件を満たす必要があります。
これらの詳細な条件を見落とすと、申請が却下されたり、後になって助成金を受け取れなくなる可能性があります。
とくに省エネ対策などを目的とする助成金では、条件の詳細を入念に確認することが重要です。細かな条件を事前に把握し、助成金申請の準備を適切に行うことが、成功への鍵となります。
④助成金申請・認定に時間がかかる
自治体の助成金や補助金申請では、手続きと認定に時間がかかります。補助金の場合、とくに申請受付や工事完了報告書の提出には期限が設定されているため、書類の詳細に注意しつつ、期限内に提出することが求められます。
さらに、申請後に助成金や補助金の交付が認定されるまで、通常3週間程度を要することが多いです。このため、計画的に申請プロセスを進めることが大切です。期限と手続きの時間を考慮して、助成金申請を早めに行いましょう。
これらの注意点をあらかじめ理解し、計画的に申請手続きを進めることにより、助成金を最大限に活用し、外壁塗装のコスト削減を実現することができます。
助成金以外でマンションの外壁塗装の費用を抑える方法
外壁塗装の費用は、マンションのメンテナンスにおいて大きな出費となりますが、助成金以外にもコストを削減する方法は存在します。
マンションの外壁塗装で助成金以外の費用抑制方法には、以下のようなアプローチがあります。
方法①相見積もりを取る
複数の業者から見積もりを取ることは、外壁塗装で適正価格で契約するために非常に有効です。後悔をしないためには、相見積もりを取り、業者と直接コミュニケーションを取ることが重要です。これにより、予算に合ったサービスを提案してくれる業者を見極めることができます。
多くの業者は無料で見積もりを出してくれますので、相場感を把握するためにも、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。
方法②ご自身で業者を選ぶ
外壁塗装において、信頼できる業者を選ぶことは重要です。信頼できる業者を選ぶには、自分自身で業者を調べることが欠かせません。インターネットを活用して、業者の過去の実績や口コミ評価をチェックし、情報に基づいて選ぶことが可能です。
とくに地元で豊富な実績を誇る業者は、良好な評価が多いことが一つの指標となります。見積もりの段階では、業者との相性や信頼性も重要な判断基準となるため、複数の業者と接触することでこれらを評価することができます。
信頼できる業者との良好な協力は、工事が順調に進むことや、万一のトラブルに素早く対処する上で極めて重要です。
関連記事：マンションの外壁塗装にかかる費用とは？費用の抑え方も紹介
助成金で実現！外壁塗装計画
マンションの外壁塗装に関する助成金や補助金は、自治体によってその内容や条件が異なりますが、適切に活用することで大きな費用削減が期待できます。
外壁塗装のプロジェクトでは、事前の準備として助成金の存在を確認し、必要書類を集め、適切な業者を選定することが重要です。
また、相見積もりを取ることや地元の信頼できる業者を選ぶことも、費用削減に効果的です。
マンションの外壁塗装を検討している方は、助成金の活用を考慮し、高品質ながらコストパフォーマンスの高い塗装を実現するために、カメダ塗装にぜひご相談ください。
