アパートの外壁塗装の費用は？助成金や工事の時期・業者の選び方を紹介
アパートの外壁塗装は、建物の美しさを保つだけでなく、長期的な資産価値を維持するためにも欠かせない作業です。
しかし、費用や施工のタイミング、業者の選び方など、アパートのオーナーまたは管理者、大家さんにとって多くの疑問が生じることもあります。
この記事では、アパートの外壁塗装にかかる費用の相場や内訳、コストを抑えるポイント、助成金の使用、さらに業者の選び方について詳しく解説します。
これから外壁塗装を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
アパートの外壁塗装にかかる費用の相場
アパートの外壁塗装にかかる費用は、内容によって変動しますが、一般的な2階建てアパートであれば、200〜300万円程度が相場とされています。
高品質な塗料を選択したり、特殊な施工が必要な場合は、費用が高くなることを覚悟しておきましょう。
また、建物が3階建ての場合、塗装費用はさらに高くなり、多くの場合300〜500万円の範囲で考えられます。
塗装の際には、足場の設置費用や、既存の塗膜の状態に応じた修復作業が追加料金となることも少なくありません。
これらの費用は、アパートの外観だけでなく、将来的な維持管理にも直結するため、適切な投資と考えられるでしょう。
アパートの外壁塗装にかかる費用の内訳
外壁塗装は、アパートの見た目を美しくし、物件の価値を維持するために不可欠です。
ここでは、アパートの外壁塗装における主な費用の内訳を解説します。
とくに、足場代、人件費、塗料代に焦点を当て、それぞれが全体の費用にどれだけ影響を及ぼすかを見ていきましょう。
①足場代
外壁塗装を行う際、まず必要になるのが足場の設置です。
足場は、作業員が安全に作業を行うために絶対に欠かせない設備であり、設置には専門の技術と材料が必要です。
足場の費用は、アパートの規模や高さ、設置する期間によって変動しますが、一般的に外壁塗装全体の費用の約20％を占めるとされています。
たとえば、3階建てのアパートの場合、高い足場を設置する必要があり、それに伴いコストも高くなるのが普通です。
また、足場材料の運搬、設置、解体作業にかかる人件費も足場代に含まれます。
安全を守りながら効率良く設置することで、無駄な費用を削減できます。
関連記事：外壁塗装の足場の費用相場はいくらなのか？注意点も解説
②人件費
外壁塗装の費用の中で大きな割合を占めるのが人件費です。総費用の約30%が人件費に充てられることが一般的です。
この費用には、職人や現場監督といった外壁塗装に関わるすべての人の給与が含まれます。
人件費は、作業の難しさ、作業期間、そして職人の技術力によって変動します。
効率的な計画と経験豊富な職人を選ぶことによって、人件費の削減を図ることが可能です。
③塗料代
塗料代は、外壁塗装における重要な要素で、使用する塗料の種類によって大きく異なります。
市場にはさまざまな種類の塗料があり、機能性と耐用年数に応じて価格が設定されています。
一般的に、耐久性や特殊機能を備えた高品質な塗料ほど価格は高くなりますが、長期的なメンテナンスコストを考えると、初期投資を多少高くしても耐用年数の長い塗料を選ぶことが経済的です。
たとえば、シリコン塗料やフッ素塗料は価格は高めですが、耐候性や汚れにくさに優れ、長期にわたってアパートの外観を保護します。
関連記事：フッ素塗料は外壁塗装におすすめ？価格相場や注意点を解説
アパートの外壁塗装の費用を抑えるポイント
外壁塗装はアパートの外観の美しさの維持と資産価値の向上に不可欠ですが、費用は高額になりがちです。
しかし、いくつかのポイントを理解しておくことで、これらの費用を適切に管理し、抑えることが可能です。
ここでは、外壁塗装の費用を抑えるための具体的な方法を紹介します。
ポイント①日頃から外壁の状態を確認しておく
アパートの外壁塗装の費用を抑えるためには、定期的な外壁のチェックが不可欠です。
小さなひび割れや色あせ、剥がれといった初期症状を見逃さずに、早めに対処することで、大規模な修理が必要になる前に適切なメンテナンスが可能です。
外壁塗装のタイミングを見定めて、大きな費用が発生するのを防げます。
外壁の状態は季節の変わり目や、激しい天候の後にチェックしましょう。
チェックすることを心がけることで、アパートの美しさを保ちながら、必要なときにのみ適切な修繕を施すことが可能です。
ポイント②複数の業者から見積もりを取る
外壁塗装の費用を抑えるためには、複数の業者から見積もりを取ることが推奨されます。
業者はそれぞれ異なる価格設定やサービスを提供しているため、複数の見積もりを比較することで最もコストパフォーマンスが高い選択肢を見つけることが可能です。
また、見積もりを通じて業者の対応や提案の質も評価できます。
具体的な見積もり内容を確認し、隠れた追加費用がないかどうかを慎重に検討し、全体的な費用対効果を考えて業者を選びましょう。
関連記事：外壁塗装業者を選ぶ際のポイントとは？悪徳業者の特徴も紹介
ポイント③地域密着型の業者を選ぶ
アパートの外壁塗装において、地域密着型の業者を選択するメリットは大きいです。
地元の業者は地域の気候や環境に詳しく、地域特有の問題に対応したサービスを提供できるため、より適切な塗装方法を提案してくれる可能性が高まります。
また、地域密着型の業者は顧客との長期的な関係を重視する傾向にあり、アフターサービスや保証が充実していることが多いです。
これにより、施工後のトラブルに迅速に対応してもらえるため、安心して塗装工事を依頼できます。
地元の業者を利用することで、交通費や出張費などの追加コストが抑えられるため、全体の費用を削減できるかもしれません。
ポイント④ほかの工事と組み合わせる
外壁塗装を行う際に他の工事と組み合わせると経済的です。
たとえば、屋根の塗り替えや防水工事、ベランダの修繕など、外壁塗装と同様に足場を必要とする作業を同時期に計画することで、足場設置のコストを1回で済ませられます。
この方法は、工事全体の日数を短縮し、作業の効率化を図ることが可能となり、結果的にトータルコストを削減する効果が期待できます。
また、複数の工事を一括で依頼することで、業者との単価交渉がしやすくなる場合もあり、さらなるコストダウンにつながるかもしれません。
このように、計画的に工事を組み合わせることで、資金の節約だけでなく、時間の節約も期待できるでしょう。
アパートの外壁塗装の助成金
アパートの外壁塗装を検討する際、地域ごとに提供されている助成金や補助金を活用することは大変有効な手段です。
例えば、東京都などの大都市では、省エネルギー改修や耐震改修に対して助成金が提供されています。
これらの助成金は、外壁塗装による断熱性向上や耐震性強化など、特定の改修工事に対して資金援助が受けられる場合があります。
【公的な自治体の例】
東京都の助成金
- 省エネルギー改修助成金: 断熱性能を向上させるための外壁塗装に対して助成金が支給される場合があります。申請にはエネルギー効率の向上が確認できる資料が必要です。
- 耐震改修助成金: 耐震性能を向上させるための改修工事に対して支給される助成金です。外壁塗装が耐震補強の一環であれば、適用対象になることがあります。
これにより、初期投資の負担を軽減しつつ、アパートの資産価値を維持、向上させることが可能です。
利用できる助成金や補助金の種類と条件は地域によって異なるため、工事を計画する前には事前に自治体への確認が必要です。
また、申請には期限があること、必要な書類が多いことが一般的ですので、準備には十分な時間を確保しましょう。
関連記事：アパートの外壁塗装に補助金・助成金を使う流れを解説
アパートの外壁塗装工事を行うタイミング
アパートの外壁塗装工事の適切なタイミングは、国交省の長期修繕計画ガイドライン によると大規模修繕工事 塗装仕上げの場合が11～18年、タイル張りが12～18年と修繕周期は幅広く設定されていることから、一般的には12～15年を目安に考えることが多いです。
さらに、建物の立地条件や気候によっても劣化の速度が変わるため、外壁の状態を定期的にチェックし、初期の劣化サインを見逃さないようにしましょう。
また、外壁塗装に最適な時期は、天候が安定している春や秋です。
雨が少なく、温度が適度に暖かい春や秋は、塗料の乾燥に適した条件が整っています。
季節のことまで考慮することで、塗装後の品質が保たれ、長持ちする塗膜が形成されるため、塗装の効果を最大限に引き出せます。
外壁が劣化しているサイン
アパートの外壁塗装を適切なタイミングで行うためには、劣化の初期サインを見逃さないようにしましょう。
外壁の状態は建物の美しさだけでなく、構造的な安全性にも直接関わります。
ここでは、劣化のサインとして一般的に認識されるチョーキング、ひび割れ、塗膜の浮きや剥がれ、変色について具体的に解説します。
これらの現象を早めに発見し対処することで、大規模な損傷や修繕費用の増大を防ぐことが可能です。
チョーキング
外壁塗装のチョーキング現象は、塗料の表面が劣化し、塗料の顔料が粉状になって現れる状態です。この現象は、外壁に触れた際にチョークの粉のような物質が手に付着することが特徴であり、通常は色褪せと同時に発生します。
チョーキングの原因は、塗料が紫外線や雨によって劣化し、顔料が粉状になって表面に付着することにあります。この状態が見られた場合、塗装の保護機能が低下し外壁が雨や太陽の光から十分に保護されていないことを意味します。
そのため、チョーキングが確認されたら、早めに塗り替えを検討することをおすすめします。
ひび割れ
外壁には、ヘアークラックや構造クラックといったひび割れが発生する可能性があります。ヘアークラックは髪の毛程度の細さ（0.3mm以下）であり、主に塗膜の経年劣化が原因です。このタイプのひび割れは、塗膜の柔軟性が失われた結果として発生します。
一方、構造クラックは0.3mm以上の幅があり、建物の躯体に生じる深刻なひび割れです。
このひび割れは、地震や交通の振動など外部からの影響で起こることが多いです。
ヘアークラックは塗膜の劣化が原因であるため、塗り替えによって対応可能です。
しかし、構造クラックは建物自体の劣化を示しており、放置すると雨漏りなどの深刻な問題を引き起こす恐れがあります。
そのため、構造クラックを見つけた場合は、速やかに専門家の診断と対策を行う必要があります。
塗膜の浮きや剥がれ
外壁の塗料が膨れ上がる現象は、主に塗膜の耐久性が低下することによって引き起こされます。
紫外線の影響により塗料の密着性が低下し、表面が膨れることが一般的な原因です。
また、塗装時に下地の清掃が不十分で異物が混入している場合も、塗料の浮きを引き起こす可能性があります。
このような状態は、塗膜の経年劣化によるものか、塗装作業が適切に行われなかった場合に発生します。
多くの場合、塗料自体の耐久性が主な原因となっています。
この問題を防ぐためには、高品質の塗料の選定と、塗装前の丁寧な下地処理が重要です。
また、定期的なメンテナンスと、専門業者による適切な塗装作業が、外壁塗料の浮きを防ぐために効果的な対策となります。
変色
外壁の変色は塗料の保護機能が低下している初期のサインです。
この変色は徐々に進行するため、日常的には気づきにくい現象です。
塗装後の外壁の状態を写真で記録しておくことが、後の変化を把握する上で有効です。
定期的に写真を比較することで、微妙な変色を見逃さず、早期に対応することが可能になります。
注意深く観察することは、外壁の長期的な保護とメンテナンスのために重要です。
関連記事：アパートをおしゃれに見せる外壁塗装とは？コツや注意点も解説
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外壁塗装を行うメリット
外壁塗装は、建物の見た目をよくするだけでなく、さまざまな重要なメリットをもたらします。
外壁塗装を行うことで得られる主なメリットには、以下が挙げられます。
- メリット①建物の劣化を遅らせることができる
- メリット②アパートの資産価値が上がる
- メリット③節電につながる
- メリット④入居者の増加が期待できる
それぞれ解説します。
メリット①建物の劣化を遅らせることができる
建物の外壁は、毎日紫外線、雨、風、温度の変動などの自然環境にさらされています。
時間の経過とともに、これらの環境要因は外壁にダメージを与え、劣化を加速させます。
外壁塗装は、これらの自然要素から建物を保護するための重要な役割を果たし、住宅の劣化を抑制します。
ひび割れや剥離などの症状を放置すれば、雨水が建物内部に浸透し、深刻な損傷を引き起こす危険性があります。
外壁塗装を行うことで、これらの劣化症状の進行を抑制し、建物を長持ちさせることができます。
住宅の外壁に劣化症状が見られた場合は、外壁塗装を検討することをおすすめします。
メリット②アパートの資産価値が上がる
アパートの外壁塗装は、ただ外観を美しく保つだけでなく、建物の資産価値を高める効果もあります。
とくに、賃貸住宅であるアパートやマンションでは、資産価値の維持が重要です。
外壁塗装を怠ると、建物の劣化が進行し、結果的に資産価値が低下してしまいます。
定期的な外壁塗装を行うことで建物の劣化を防ぎ、資産価値を向上させることが可能です。売却を検討しているオーナーにとっては、外壁塗装が売却価格に大きく影響する可能性があるため、特に重要です。
塗装によって建物の状態が改善され、将来の売却価格を向上させる効果が期待できます。
関連記事：アパートの外壁塗装の減価償却に必要な法定耐用年数とは？
メリット③節電につながる
アパートの塗装が節電に貢献する可能性があります。
とくに遮熱塗料や断熱塗料を使用した場合、冷暖房効率の向上により電気代の節約が期待できます。
遮熱塗料は、太陽光線の近赤外線を効果的に反射し、建物の温度上昇を抑制します。これにより、夏場の冷房負荷を軽減できます。
一方、断熱塗料は、熱や冷気の伝わりにくさを強化し、室内の温度を一定に保つ効果があります。
これにより、冬場の暖房負荷を削減することができます。
メリット④入居者の増加が期待できる
アパートの外壁塗装は建物の見た目と美しさを向上させ、その結果、入居率の増加に大きく貢献します。
清潔感のある外観は、多くの入居希望者にとって魅力的であり、新たな入居者を惹きつける可能性が高まります。
また、外壁塗装が適切に行われているアパートは、オーナーが建物のメンテナンスに積極的であることを示し、信頼感を深めます。
これは、入居者にとって重要な判断基準の一つです。
外壁塗装への投資は、その費用を上回る価値があると言えるでしょう。
きれいに保たれたアパートは長期的な視点で見ると、より多くの入居希望者を惹きつけ、賃貸物件としての競争力を高めることにつながります。
アパートの外壁塗装を行う際の注意点
アパートの外壁塗装は、不動産価値を向上させ、長期にわたって建物を守るために重要ですが、正しい手順と注意すべき点を把握することが極めて重要です。
最後に、アパートの外壁塗装を行う際の主な注意点を3つに分けて解説します。
注意点①近隣住民に事前に告知する
アパートの外壁塗装を行う前には、近隣住民への告知が重要です。
この工事は通常2週間〜3週間かかり、足場の設置や塗料の臭いで近隣の方々に不便をかける可能性があります。
また、近くに駐車されている車の移動や洗濯物の干し場所の変更をお願いすることもあります。
工事による騒音やその他の不便を最小限に抑えるためにも、事前の周知と配慮が重要です。
しっかりと周知を行うことで、ご近所との良好な関係を維持し、大きなトラブルを避けることができます。
また、株式会社カメダ総合塗装なら大きい建物に慣れており、細心の注意を払い工事を進める為、トラブルも殆どありません。
また、トラブルが発生した場合にも対処を迅速に行いますので、大きなトラブルの発生になりません。
注意点②慎重に業者を選ぶ
アパートの外壁塗装の品質とコストは、選ぶ業者に大きく依存します。
信頼できる業者を選ぶためには、アパートなど専門住宅専門の外壁塗装の実績と評判を重視しましょう。
普段、塗装作業員のみで行っている業者の場合、足場、シーリング、左官、防水を外注委託する事になり、中間マージンが発生する為、価格が高騰してしまいます。
外壁塗装業者を選ぶ際には、複数の業者から相見積もりを取り、比較検討することが重要です。
ただ安い業者を選ぶのではなく、使用される塗料の品質、施工スタッフの人数、アフターケアの有無など、さまざまな要素を総合的に評価し、適切な業者を選びましょう。
適切に選ぶことによって、塗装の仕上がりの質を確保し、長期的なコストパフォーマンスを得ることができます。
注意点③必要な工事のみ行う
限られた予算内でアパートの塗装を行う際、必要な工事と不要な工事の選別が重要です。
塗装業者が必要ではない箇所の塗装を提案することがあるため、とくに注意が必要です。
コストを抑えるためには、塗装が必要な部分を絞り込むことが重要です。
まだ塗装から時間が経っていない、または劣化が目立たない箇所は工事の対象外にすることで、無駄な出費を防げます。
業者の提案に鵜呑みにせず、自身で塗装の必要性を吟味することがコスト削減に繋がります。
アパートの外壁塗装のよくある質問
よくある疑問の1つに、「施工期間中の洗濯物はどうしたらよいか」といった質問があります。
この点については、塗料の飛散を避けるため、施工期間中は部屋の中で洗濯物を干すようにしましょう。
一時的な不便は避けられませんが、安全を確保して清潔な状態を維持できます。
また、「外壁の塗る面積を出す際、図面は必要か」という質問もあります。
図面があれば作業はスムーズに進みますが、無い場合でも現地の寸法を測定して面積を算出することが可能です。
関連記事：外壁塗装中でも洗濯物を干したい！工事中の対処法を紹介
アパートの外壁塗装: 資産価値を高める適切なタイミング
アパートの外壁塗装は見た目の維持だけでなく、建物の寿命を延ばし資産価値を高めるためには欠かせません。
適切なタイミングでの塗装は、コスト削減と長期的な利益の両方を実現します。
外壁塗装を検討されている方は、ぜひお問い合わせください。
