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外壁塗装の剥がれはなぜ生じる?補修にかかる費用相場も紹介

外壁塗装を行ったばかりなのに、いつの間にか塗膜が浮いてきたり、剝がれ落ちたりしているのを見つけたらショックですよね。
せっかくお金をかけて施工したのに、どうして剥がれが生じるのか疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
実は、外壁塗装の剝がれはさまざまな要因が重なって起こります。
放置すると雨漏りや建物の安全性に影響が出ることもあり、早めの補修が必要です。

 

本記事では、外壁塗装の剝がれが生じる主な原因や、そのまま放置した際に起こりうるトラブル、そして補修にかかる費用相場を中心に解説します。
自分で行う補修の可否や業者に補修を依頼する手順、業者選びのコツなどもご紹介しますので、剥がれを何とかしたいと考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

 

大切な住まいを長持ちさせるためにも、剥がれの原因と対処法をしっかりと押さえておきましょう。

外壁塗装の剝がれが生じる原因

外壁塗装の剥がれは、単に「古くなったから」というだけではありません。
実際には複数の要因が重なり合い、塗膜が外壁材から分離してしまうのです。
ここでは、代表的な原因を5つ挙げて解説します。

下地処理の不足

外壁塗装の仕上がりを左右する重要ポイントのひとつが「下地処理」です。
古い塗膜や汚れ、サビ、カビ・苔などを十分に除去しないまま新しい塗料を塗ってしまうと、密着力が不十分なまま乾燥してしまいます。
これにより、わずかな衝撃や経年劣化によって塗膜が剥がれ始めるリスクが高まります。

 

高圧洗浄やケレン作業(サンドペーパーや電動工具などで旧塗膜を削る作業)を怠る、もしくは適切に行わない場合も同様です。
丁寧な下地処理は地味で時間もかかる工程ですが、塗装の品質と寿命を左右する重要なプロセスとなります。

乾燥時間の不足

塗装工程では、下塗り・中塗り・上塗りと複数回にわたって塗料を塗布しますが、それぞれの塗り重ねの際に必要な「乾燥時間」を十分にとらずに急いで次の工程へ進むと、内部がまだ乾ききっていない状態で塗膜が形成されてしまいます。
そうなると、塗膜同士の結合力が弱くなり、後々剥がれの原因になることがあります。

 

天候や気温、湿度など外部環境の影響も大きく、梅雨や冬季など気候条件が厳しい時期に塗装を行う場合は、通常以上に乾燥時間を確保しなければなりません。

下塗り材の選定ミス

外壁塗装では、上塗りに使用する塗料だけでなく、下塗り材(プライマーやシーラー)の選定も重要です。
外壁材との相性が悪い下塗り材を使用すると、せっかく上塗り材をきれいに塗っても時間の経過とともに塗膜が浮いてくることがあります。

 

また、使用する下塗り材の種類によっては、しっかりとした厚みを出す必要がある場合があります。
既定の希釈率や塗布量を守らずに適当に作業した結果、密着不足を招いて剥がれやすい塗膜になってしまうケースも珍しくありません。

建物の構造の問題

建物自体に構造的な問題(雨漏りしやすい箇所やクラックが多発する箇所など)がある場合は、その影響で塗膜が剥がれることがあります。
たとえば、経年による基礎の沈下や地震の影響で建物がわずかに動いたとき、外壁にひび割れが生じ、そこから塗膜が浮いてしまうことも。

 

さらに、室内側からの結露や漏水が外壁材に影響し、湿気を帯びて剥がれを引き起こすこともあります。
いくら塗装をやり直しても、根本的な構造上の問題を解決しない限り、再び塗膜剥がれが発生するリスクは高いです。

経年劣化

外壁塗装が剥がれる原因としてやはり多いのが、単純な経年劣化です。
塗料の耐用年数は種類によって異なりますが、一般的なシリコン塗料でも10年程度、ウレタン塗料なら5〜7年程度が目安とされています。
この期間を大幅に過ぎると、塗膜が硬化しすぎてヒビ割れしやすくなり、外壁との接着力が低下して剥がれが生じやすくなります。

 

こまめに点検・メンテナンスを行わず、劣化を見落としていると、塗膜剥がれが急激に進行してしまう場合があるため注意が必要です。

外壁塗装の剥がれを放置すると起こりうること

外壁塗装の剥がれを見つけても、「まだ部分的だし、そのうち補修すればいいかな」と後回しにしてしまう方もいます。
しかし、剥がれを放置するとさまざまなリスクが生じるため、早めの補修が望ましいです。

雨漏り

塗膜が剥がれると、外壁材の防水機能が低下します。
雨風にさらされることで、外壁の隙間やヒビ割れから水が浸入し、雨漏りに発展する可能性が高まるのです。
雨漏りが発生すると、室内のクロスがシミになるなど見た目の問題だけでなく、柱や梁などの木部が腐食し、建物自体の寿命が縮む恐れがあります。

建物の安全性の低下

水分が建物内部に入り込み続けることで、鉄骨造ならサビ、木造なら腐朽やシロアリ被害など、構造体の劣化が加速します。
特に木造住宅では、見えない部分での腐食が進行し、突然壁が崩れ柱や土台の強度が下がるなど、大規模な修繕を必要とする事態になることも少なくありません。

見栄えの悪化

外壁の塗膜が部分的に剥がれていると、どうしても外観が悪くなってしまいます。
建物の第一印象が下がるだけでなく、今後賃貸や売却を検討する際にも大きなマイナス評価となるでしょう。
美観を保つためにも、早めの補修対応が大切です。

チョーキング

外壁を触ったときに、手に白い粉が付く現象を「チョーキング」と呼びます。
これは塗膜が劣化して粉状になっているサインで、放置していると塗膜の防水性能や耐久性が著しく落ちることにつながります。
剥がれが生じる一歩手前の状態とも言えるため、チョーキングを見つけたら早めの点検・補修を検討しましょう。

外壁塗装の剥がれを補修する際にかかる費用相場

外壁塗装の剥がれを補修する場合の費用相場は、規模や症状の程度によって大きく異なります。
たとえば、一部の小規模な剥がれで下地処理+部分塗装のみで済むなら3〜5万円程度から対応できることもありますが、外壁全体に広がっている場合は再塗装や下地補修などが必要になり、数十万円以上の出費がかかるケースも珍しくありません。

 

また、補修内容によって費用が変動します。

  • 部分補修:剥がれ箇所だけをケレン(削り落とし)し、下地処理後にタッチアップ塗装。
  • 全体塗り替え:既存塗膜をできるだけ除去し、新たに下塗り・中塗り・上塗りを実施。
  • 構造体の補修:雨漏りやひび割れが深刻な場合は、外壁材や防水シートの張り替え、場合によっては内部の木部補修など大掛かりな工事が必要。

 

さらに、足場の設置が必要になるとその分の費用(10〜20万円ほど)が上乗せされることがあります。
足場代は建物の高さや形状、敷地条件によって変化し、同時に屋根工事を行うかどうかでも異なってきます。

おおまかな費用感は以下の通りです。

補修内容費用目安特徴
小規模な部分補修3〜10万円程度ケレン+タッチアップ塗装、足場不要の場合もあり
中規模の部分補修10〜30万円程度足場が必要になることが多く、下地処理をしっかり行う
全面塗り替え50万円以上建物の大きさや塗料の種類により変動が大きい
下地や構造体の補修を伴う100万円以上雨漏りや躯体の損傷が深刻な場合、大掛かりな工事となる

費用だけで補修の必要性を判断するのではなく、建物の安全性と長期的な維持コストを考慮することが大切です。

一時的に小規模の補修でしのいだとしても、根本的な問題が解決されないままさらに剥がれや雨漏りが拡大し、結果的に高額な修繕が必要になる場合もあります。

 

外壁塗装の剝がれは自分でも補修できる?

外壁塗装の剥がれに気づいたとき、「自分で補修すれば費用を抑えられるのでは?」と考える方もいるかもしれません。
結論から言えば、小規模かつ表面だけの剥がれであれば、自分で修繕用の塗料やパテを購入し、DIYで補修することは不可能ではありません。

しかし、いくつかのリスクがあります。

  1. 下地処理の難易度:適切なケレン・洗浄・プライマー選定をしないとすぐに再剥離を起こす。
  2. 足場の安全性:高所作業では足場やはしごの使用が不可欠で、転落事故の危険がある。
  3. 原因の特定が困難:表面的な剥がれだけでなく、雨漏りや建物構造の問題が潜んでいる場合もある。

特に、広範囲の剥がれや建物の劣化が進んでいるケースでは、業者に依頼したほうが総合的に見て安心・安全です。
DIYで一時しのぎをするよりも、根本的な原因を調査して適切な方法で補修を行ったほうが、長期的な費用や手間を抑えられる可能性が高いでしょう。

外壁塗装の剥がれを業者に補修してもらう際の手順

外壁塗装の剥がれが見つかった場合、まずは落ち着いて原因を探り、必要に応じて施工業者に相談することが大切です。
ここでは、補修を業者に依頼する際の基本的な流れをご紹介します。

外壁塗装を行った業者に連絡する

まずは、過去に外壁塗装を依頼した業者に連絡しましょう。
保証期間内であれば、追加費用なしもしくは安価で補修を行ってくれる可能性があります。
ただし、連絡先がわからない、すでに廃業しているなどの場合は別の信頼できる業者を探す必要があります。

当時の資料を確認する

使用した塗料の種類や保証内容、施工時期などを業者に伝えることで、原因追究や補修プランの立案がスムーズに進みます。

 

また、保証が適用されるケースかどうかも、書類を確認することで判断しやすくなります。

見積書を貰う

業者に現地調査を依頼し、修繕の範囲や工法について打ち合わせたうえで見積もりを作成してもらいます。
このとき、費用だけでなく、補修方法や使用する塗料、工期などの詳細をしっかりとチェックしましょう。
疑問点や不安がある場合は納得がいくまで業者に質問することが大切です。

外壁塗装の剥がれを補修してもらう業者を選ぶ際のコツ

「以前の業者に連絡がつかない」「別の業者に依頼したい」といった場合、どのような基準で選べばよいのでしょうか。
ここでは、3つのポイントを押さえておくと、適切な業者を見つけやすくなります。

評判や口コミを確認する

地元で長年の実績を持つ業者や、ネット上で口コミ評価が高い業者は、総じて施工品質やアフターサポートがしっかりしているケースが多いです。
SNSや口コミサイトなどを参考にして、利用者の感想をチェックしましょう。
ただし、ネット上の評判だけに頼りすぎず、実際に問い合わせをして対応の速さや誠実さを確かめるのも大事です。

相見積もりを取る

1社だけに見積もりを取ると、適正価格や適切な工法がわかりにくい場合があります。
複数の業者から見積もりを取得し、費用・施工内容・使用塗料などを比較することで、より納得のいく選択ができるでしょう。
また、相見積もりを嫌がる業者は、価格面や施工内容に不透明な点があるかもしれませんので要注意です。

保証内容を確認する

外壁塗装の剥がれに関しては、施工保証やメーカー保証など、どのような形で保証が適用されるのかを事前に確認しておきましょう。
特に、再補修が必要になったときにどの範囲まで無償対応してもらえるか、保証期間は何年かなどをしっかりチェックしてください。
保証書や契約書の内容が明確になっている業者を選ぶことで、万が一の不具合にも安心して対処できます。

外壁塗装の剥がれを早めに直し、住まいを守ろう

外壁塗装の剥がれは、経年劣化や施工不良、構造的な問題などさまざまな原因で生じます。
そのまま放置すると、雨漏りや建物の耐久性低下、見栄えの悪化など深刻な被害につながる恐れがあります。
補修の費用は、部分的なタッチアップから全面的な再塗装、構造体の修繕まで幅広く、状況によって金額が大きく変わります。
DIYでも小規模なら対応できる場合がありますが、根本的な原因を見極め、適切な工法で直すには専門的な知識や技術が不可欠です。
業者に依頼する際は、かつて依頼した施工会社に連絡するか、評判が良く保証内容が明確な会社を選ぶと安心です。
適切なタイミングで外壁塗装の剥がれを補修し、住まいを長く快適に保ちましょう。

 

株式会社カメダ総合塗装は、創業から60年の歴史を誇り、数多くの外壁塗装の剥がれを修復してきた実績があります。

施工後のアフターフォローも充実しておりますので、ぜひ一度ご相談ください。