20年を超えたら寿命?塗料ごとに外壁塗装の耐用年数を紹介
建物の外壁塗装の耐用年数について、悩んだことはありませんか。
この記事では、塗料ごとに異なる外壁塗装の耐用年数、劣化度合いのチェック方法、外壁塗装を長持ちさせる方法などを詳しく解説します。外壁塗装業者を選ぶ際のポイントもご紹介しているので、ニーズに適した外壁塗装を計画しましょう。
外壁塗装の目的
外壁塗装は、建物の美観を維持するほか、耐久性を高め、資産価値を向上させるために不可欠な作業です。
美観の維持は、ビルの場合、入居者や訪問者に良い印象を与えるため、また賃貸ビルやマンションの場合は高い入居率を保つために重要です。
耐久性の向上は、建物が長期間にわたり機能を維持し続けるために必須であり、定期的な外壁塗装は水分や紫外線による損傷を防ぎます。
さらに、資産価値の向上には、建物が経済的にも魅力的な投資であり続けるために重要な役割を果たします。
築年数が経過しても、適切にメンテナンスされ、綺麗に保たれたビルやマンションは、新築と比較しても見劣りしません。
以上の点から、外壁塗装はビルやマンションの管理において重要な目的の1つであると言えるでしょう。
【外壁塗装】耐用年数は?
外壁塗装の耐用年数は、塗料の種類によって大きく異なります。一般的には、10年〜20年が目安です。
この期間を超えると、塗装の劣化が進みやすくなるため、建物の美観や保護機能を維持するためにも、再塗装が必要になってきます。
さらに、建物自体の法定耐用年数とも関連があり、外壁塗装を適切に行うことで、建物全体の耐久性を高めることが可能です。
たとえば、モルタルやサイディングなどの下地材の耐用年数は20年〜40年で、これらの材料を用いた外壁であれば、定期的な塗装メンテナンスによって最大限の寿命を引き延ばせます。
外壁塗装の重要性は、単に外観を美しく保つだけではなく、建物を長期間維持するためにも不可欠です。結論として、外壁塗装の耐用年数は10年〜20年が一般的であり、定期的なメンテナンスにより建物の寿命を延ばすことができます。
外壁塗装の劣化度合いを調べる方法
外壁塗装の劣化度合いを確認するには、定期的なチェックが必須です。
まず、「チョーキング現象」があるか、手で触って粉が付くかを確認しましょう。チョーキング現象とは、塗膜が紫外線などにより劣化し、粉状になった状態を指します。
また、色褪せや塗膜の剥がれが目に見えるかどうかもチェックポイントです。これらの症状は、塗装の効果が失われつつあることを示しています。
さらに、ひび割れの有無も確認が必要です。ひび割れには、表面的なものから建物の構造に関わる深いものまであり、とくに深いひび割れは早急な対応が求められます。
これらのチェックを通して、外壁塗装の劣化度合いを理解し、必要に応じて専門家に相談することが、建物を守る第一歩です。
外壁塗装を長持ちさせる方法
外壁塗装を長持ちさせるコツは、適切な塗料の選定、信頼できる業者による施工、そして日々の清掃とメンテナンスです。耐久性の高い塗料を選び、優良な業者に施工してもらい、定期的なメンテナンスを実施することで、外壁塗装の寿命を大幅に延ばすことが可能です。
耐久性の高い塗料を使う
耐久性の高い塗料の選定は、外壁塗装を長持ちさせる上で重要な要素です。一般的に、フッ素系や無機系の塗料は高耐久性を誇り、20年以上の長寿命を期待できます。
これらの塗料は初期コストは高いものの、塗り替えの頻度が低下するため、長期的にはコストパフォーマンスに優れています。
たとえば、「ミラウォール」などの無機塗料は、耐候性と耐久性で知られ、建物を長期間保護することが可能です。
適切な塗料を選ぶことで、外壁の美観を保ちながら、メンテナンスコストを抑えられます。
優良業者に施工してもらう
優良な業者に施工を依頼することも、外壁塗装の寿命を延ばす上で欠かせません。
信頼できる業者かどうかは、適切な塗装方法を適用し、品質の高い材料を使用します。
見積もりはなるべく相見積もりを取るようにし、見積書の内容を詳細に見比べたり、塗装技能士1級の資格を持つ職人がいるかどうかを確認したりすることが重要です。
これにより、技術と経験を兼ね備えた業者を選ぶことができ、外壁塗装の品質と持続性を保証できます。
関連記事:外壁塗装業者を選ぶ際のポイントとは?悪徳業者の特徴も紹介
日々の清掃・メンテナンスを欠かさない
外壁塗装をただ実施するだけでなく、日々の清掃とメンテナンスも重要です。
定期的に外壁を洗浄し、小さな損傷が見つかったら早急に修理を行うことで、大きなダメージに発展するのを防止できます。また、定期的なメンテナンスにより、塗膜の劣化を早期に発見し、必要に応じて部分的な塗り替えを行うことが可能です。
これにより、外壁全体の塗り替えが必要となる前に、コストを抑えつつ対応できます。
外壁塗装の塗料による耐用年数の違い
外壁塗装の耐用年数は使用する塗料によって違います。ここでは、以下の7つの塗料の耐用年数や特徴を詳しく見ていきましょう。
- アクリル系塗料
- ウレタン系塗料
- シリコン系塗料
- ラジカル系塗料
- フッ素系塗料
- 無機系塗料
- 光触媒系塗料
アクリル系塗料
アクリル樹脂を基本とするアクリル系塗料は、鮮明な色彩と光沢による高いデザイン性が特徴です。一般的に、この塗料は5年〜7年の耐久性を持ち、費用の相場は1平方メートルあたり約1,900円から3,000円が目安です。この塗料はコストパフォーマンスが良く、頻繁な塗り替えが必要な場合でも、全体のコストを抑えられます。さらに、凹凸のある表面にも良好に浸透し、湿気の多い環境でも使用できる点もメリットです。
一方で、他の塗料に比べて耐用年数が短いことがデメリットです。耐久性が低いため、定期的な塗り直しが必要となることから、ビルやマンションの外壁塗装においては、継続的なメンテナンスが困難な点から一般的には推奨されていません。しかし、外壁のデザインを周期的に新しくしたい商業施設や、10年未満での解体が見込まれる建物、倉庫など、特定の状況下では有用であるケースも存在します。
ウレタン系塗料
ウレタン系塗料はウレタン樹脂を基にしており、その柔軟性から塗装された表面に強固に密着して防水性を発揮します。一般的に、耐用年数は8年〜10年で、費用の相場は1平方メートルあたり約2,100円〜3,100円が目安です。この塗料の最大の強みは、高度な密着性と防水機能にあり、雨水の浸入が懸念される場所や木材の保護に最適です。また、塗料が持つ弾力が、塗装面のひび割れを予防する上で有効である点も、大きなメリットとして挙げられます。
ただし、比較的耐用年数が短めであるため、定期的な塗り直しが必要です。そして、耐熱性に劣るため、直射日光が強く当たる箇所での使用は避けましょう。
シリコン系塗料
アクリルシリコン樹脂に基づくシリコン系塗料は、光沢が目を引く特徴の1つです。耐用年数は10年〜15年で、費用の相場は1平方メートルあたり約2,700円〜4,000円が目安です。この塗料の魅力は、コストと機能性のバランスの良さにあります。優れた耐水性と耐熱性を持ち、防水性や防汚性も高いレベルです。コスト面に関しては、若干品質が劣るウレタン系塗料と比較しても、大きな価格差はありません。これにより、シリコン系塗料は外壁塗装におけるコストパフォーマンスが高い選択肢として人気を集めています。
ただし、この塗料の使用にあたってはいくつか留意すべき点があります。密着性が低いため、適切な下塗り材の選択が重要です。さらに、伸縮性に劣ることから、ひび割れが起きやすいという側面もあります。それにもかかわらず、耐用年数、性能、そして価格の三方面で良好なバランスを保っているため、どの塗料を選ぶか迷う方には、シリコン系塗料をおすすめします。
ラジカル系塗料
ラジカル系塗料は、塗膜の老化の主な原因であるラジカルの生成を抑える設計で開発されており、耐用年数が14年〜16年の塗料です。費用の相場は1平方メートルあたり約3,000円〜4,300円が目安です。この塗料の最大の強みは、高い耐久性にあります。とくに太陽光や風雨からの損傷を効率的に防ぐ能力が優れており、シリコン系塗料と比較しても、紫外線や雨風に対する抵抗力が目立ちます。
ただし、色彩の選択に制限があるのは大きなデメリットです。ラジカル系塗料の主成分である「高耐候性酸化チタン」は白色顔料であり、黒やその他の暗色系の色を選べません。
さらに、2012年に市場に登場した比較的新しい塗料であるため、その長期にわたる耐用性はまだ完全には証明されていません。特定の建物では、予想される耐用年数を下回ることも考えられます。ラジカル系塗料に関心があるなら、専門業者への相談がおすすめです。外壁塗装を検討中の建物に最適な塗料を選ぶ際のサポートとなるでしょう。
フッ素系塗料
フッ素を配合した合成樹脂で作られるフッ素系塗料は、塗料の中でも高品質な塗料です。耐用年数は15年〜20年で、1平方メートルあたりの費用の相場は約3,700円〜4,700円です。この塗料の最も注目すべき点は、高い性能にあります。耐熱性、耐水性、防カビ性、防水性の全てにおいて高いレベルを誇り、加えて、高い親水性も持っています。この性質が、外壁に付着した汚れを雨が降ると簡単に洗い流してくれるため、メンテナンスの手間が格段に軽減可能です。メンテナンスが難しいビルや大型商業施設において、フッ素系塗料の使用が好まれる理由です。
しかし、この塗料の価格が他の塗料と比較して高めであることは、デメリットとして挙げられます。もっともリーズナブルなアクリル系塗料と比べると約2倍の価格ですが、長期にわたる耐用年数を考えると、トータルの塗装コストが低減される可能性が高いです。
関連記事:フッ素塗料は外壁塗装におすすめ?価格相場や注意点を解説
無機系塗料
無機系塗料はセラミックやケイ素などの無機物を主成分としており、炭素を含まないことから20年〜25年という長い耐用年数が期待できます。この塗料の価格は、1平方メートルあたり約5,000円〜5,500円が目安です。最大のメリットは高い耐久性です。無機成分は紫外線による劣化を受けにくく、従来の塗料より長寿命になりました。また、カビやコケの成長を促す有機物が少ないため、これらの生物の繁殖も抑えられます。無機物が燃えにくいという特性から、優れた耐火性も無機系塗料の大きな魅力の1つです。
しかし、これらの塗料のコストは比較的高めであり、通常のシリコン系塗料と比較すると約2倍の価格です。また、無機物の比率が高いために塗膜が硬くなりやすく、ひび割れを起こしやすくなるリスクもあります。このため、塗装工事の仕上がりは施工技術に強く依存するので、施工業者の選定にはとくに注意しましょう。
光触媒系塗料
光触媒系塗料は、主成分として酸化チタンを使用しており、耐用年数は10年〜15年で、価格は1平方メートルあたり約5,000円〜5,500円です。この塗料の主なメリットは、セルフクリーニング機能です。セルフクリーニング機能により、塗装面は汚れにくくなり、酸化チタンが太陽光を受けると壁の汚れを分解します。さらに、水を引きつける性質があり、雨によって汚れが容易に流れるので、清掃が簡単です。
しかし、太陽光が当たらない場所では、セルフクリーニング機能が活発に働かないという点がデメリットです。この機能は太陽光による汚れの分解に大きく依存しているため、日陰になる場所ではその効果を十分に発揮できません。この塗料は扱いが難しく、塗装の質は施工を行う職人の技術力に強く影響されます。そのため、光触媒塗料の施工経験があるかどうかを確認してから業者を選ぶことが肝心です。
外壁塗装業者を選ぶ際のコツ
ビルやマンションの外壁塗装は、建物の美観を保つだけでなく、構造体を保護する重要な役割を果たします。優良な業者を選択することが、長期にわたって建物を守る秘訣です。ここでは、外壁塗装業者を選ぶ際のコツを詳しく見ていきましょう。
相見積もりをとる
外壁塗装業者を選択する際、複数の業者から相見積もりを取ることが重要です。これにより、価格やサービスの内容を比較し、最もコストパフォーマンスが高く信頼できる業者を見つけ出すことが可能です。価格だけでなく、提案される塗料の種類や施工の方法にも注意を払い、その理由や期待される耐用年数を確認しましょう。
見積もりの内容を確認する
見積もりの内容は、その業者がどれだけ細かく、正確に工事内容を理解しているかのバロメーターです。各工程で使用される材料の種類や量、作業の内容が具体的に記されているかを確認しましょう。曖昧な表現や「一式」という言葉でのまとめは、潜在的な追加費用の可能性を示唆している場合があります。見積もりの透明性が、施工後のトラブルを避ける重要な要素です。
塗装技能士1級の在籍有無を確認する
塗装技能士1級は、高い技術力と知識を持った職人の証です。この資格を持つ職人が多数在籍している業者は、技術的な信頼性が高く、質の高い施工が期待できます。塗装技能士1級の職人が作業に携わることで、塗装の仕上がりや耐久性が向上し、長期的なメンテナンスコストの削減にも繋がります。塗装業者を選ぶ際は、この資格を持つ職人の比率を確認することが、高品質な外壁塗装を実現する重要なポイントです。
参照:技能検定職種及び試験基準(都道府県知事が実施する職種)|厚生労働省
外壁塗装で失敗しないために
外壁塗装で失敗しないためには、選ぶ業者に注意することが重要です。保証内容の確認は、安心して施工を任せるための第一歩であることは間違いないでしょう。しっかりした保証制度を準備し、その内容を明確に説明する業者を選びましょう。
また、塗料ごとの塗装回数をチェックすることも大切です。適正な塗膜の厚みを確保するため、適切な回数での施工がなされているかを確認しましょう。
さらに、中間マージンを省くためにも、塗装専門の業者への依頼を検討することが賢明です。
結論として、業者選びに際しては、保証内容の確認、塗装回数のチェック、専門業者への依頼が失敗を避けるカギです。
関連記事:外壁塗装業者を選ぶ際のポイントとは?悪徳業者の特徴も紹介
外壁塗装の耐用年数はメンテナンス次第
ビルやマンションの外壁塗装は、適切なメンテナンスと耐久性の高い塗料の選定により、20年以上の耐用年数を目指せます。フッ素系や無機系の塗料を選択することで、長期間にわたる保護効果を実現でき、美観の維持と建物の価値向上に大きく貢献します。信頼できる業者による正確な施工と定期的なメンテナンスは、外壁塗装の耐用年数を最大化し、建物を長期にわたり守るコツとなるでしょう。
外壁塗装ならカメダ総合塗装へおまかせください。ビルやマンション、アパートなどの集合住宅を専門に扱っており、塗装一筋創業60年の高い技術と定期点検などの充実したアフターフォローでオーナー様のご要望にお応えいたします。外壁塗装を検討されている方は、ぜひお問い合わせください。